七味をかける

日がなごろごろ

答えがないならないで


人生の川を渡る



1.
窓辺にねこがいる

七月ももう半ばだというのに雨が続いている

部屋干しの匂いはかなり苦手だが、モミの木のようなその尾が洗濯物の間に見え隠れするのは嫌いではない
相変わらず、思案にふけっているようで何も考えていないような顔をしている
試しに指を顔の前で動かしてやるとまんまるい目で追う
かわいいね〜

最近癖になってしまったらしい、的確に喉笛に噛み付いてくる行為はやめて欲しいのですがね



2.
走馬灯って普通に思い起こすこと多すぎて馬の速さでは間に合わないだろうな



3.
お友達の出ている公演を観に行った


壺を売りつけられないかどうか心配なくらい素直な人である

努力の仕方もまっすぐだった
勿論色々な葛藤であったり挫折であったりわたしが知らぬところもあったのだろうが、それを感じさせぬ溌剌とした、エネルギーがあった
ある友人の言った「会うのは3ヶ月に1回で十分」はわりと正確な彼女像だ


大学の頃、売店の近くにいると突然パートオブユアワールドが聞こえてきたことがあった
だいぶ高らかな、しかしご機嫌な様子の声だった
ただ確実に聞き覚えのあるものだった

友人と2人、「何!?」と動揺していると角から彼女が現れる
どこかキョトンとしたような顔をしている彼女に「なんで歌ってたの?」と問うと、
「聞こえないと思って歌っちゃってた!恥ずかしい!」と無邪気に笑っていた
もう、ミュージカル映画みたいだなと思った


幕が開き、声が届いたときそのことを思い出した




4.
自己の世界は知覚によってのみ成り立っているように感じていたが、作用も世界なのだという知見を得た
環世界というやつらしい

作用を知覚し、知覚によって作用するので、鶏と卵みたいな話ではある
起点は自分で決めたのだと開き直った方が連鎖が上手くいくような気もする
それ故に欲望が大事なのだ
そしてそれはなんでもいい、たぶん、知らんけど



5.
布団から足がはみ出ていると、つまさきが切られてしまいそうで怖いといっていた男の子の話を思い出し笑っている

突然「家に武器のある人を探しているのですが」というDMが来て以来どうなったか知らないが元気だろうか 元気だろうな





今日はたくさんの曲が頭を流れていますが、ムーンリバーを聴いて眠ろうと思います、おやすみなさい