七味をかける

日がなごろごろ

2021-01-01から1年間の記事一覧

蛇足

真新しい部屋には、特別なもの以外何もなかった。 2枚のCD、本が1冊、好きな映画のポスター、彼から貰った灰皿、それから椿の苔玉、それで全部。 あとは引越し業者を待つばかりだった。CDを持ってきたはいいけれど結局流すものがないのは失敗だった。ラジオ…

「暮らしの中にある宇宙」について

コミティア137で頒布予定の「暮らしの中にある宇宙」について、感想のようなものを書いています(著者名50音順です)。 どういう本なのか?というのは主催のあひるひつじさんが試し読みサンプルをあげておりますので是非見てみてください〜!COMITIA137『暮…

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灰落とす動作、未だにぎこちなく白湯飲んでモデルになれれば楽なのに銀色のひかりが鈍くなっていく部屋に浮く生活のくず、朝日さす白い溝なぞり色はつかぬまま知ったかをしてまで君に好かれたい電波から違う空気の匂いする奥歯には詰まった弾丸不発弾ふわふ…

パンタ・レイ

友人から、ライブのチケットが届いた。 アイドルにハマったのは社会人になってからだった。 新卒で入った会社は、いわゆる男社会で、飲み会も盛んだった。毎日、喫煙所で分からない会話にとにかく頷いて愛想を振りまいていた。それしか出来ることは無かった…

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駆け足にまとう温度があがる日に雨降りにきいろ一輪咲かせてる階段を降りれば違う線が待つ発車音耳に混じるは波の音つま先が凍らないからデートしよ鍋のそばぬいぐるみたち暖を取るすりきりで溢れた砂糖降る雪となみなみの曲がった線を追いかけてはるが去る…

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足伸ばしはみ出る足も僕のもの飲み干せぬ言葉突きつけ溝を掘る寝過ごした先にあるはず知らんけどときめきをマッチポンプであわててるちかづくの雨雲、頭痛、君の声床下にロマンチックは眠ってる広告が歌う愛でも構わないちりばめてきらきらひかる春嵐ポケッ…

残り物のカレー

母は冬至に必ずかぼちゃの煮物を作るような人である。決まり事を大事にする人なのだ。そういうわけで、実家のカレーといえばビーフカレーだった。角切りの牛肉に、乱切りのにんじんと、くし切りの玉ねぎ…実にパッケージ通りのカレー。少しばかり変わっている…

たとえる

『たとえる技術』というせきしろさんの本を読んだ。比喩についての作例と、その思考法を書いた本。 端的に言えばそれだけ。ですが、読んでいると自分も例えを考えたくなってくるので200頁くらいの本の割に読むのに時間がかかる… というようなことを解説(取…

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何も出来ん腕に猫乗せ言い訳を吹き飛ばせ全部だ全部ドライヤー元気ない時は餃子のモノマネを出来るなら猫の額に部屋借りる頭ではポテトサラダを作ってる気まぐれで愛と平和の板ばさみつばきの名「冬」と名付けてほくそ笑む揚げてやる肉のついでにこの世もな…

元気が出ないので暗い話をつらつらとかく 大学の頃友人と好きなアーティストを「好きだ」と言いづらいという話をしたその時私は椎名林檎とチャットモンチーが「好き」だった だけど本当に好きな人に比べたらライブも見に行ったことがなくて、アルバムを全部…